Letter 宇宙:小惑星24番テミス上の水氷と有機物 2010年4月29日 Nature 464, 7293 doi: 10.1038/nature09029 地球に現在存在している水は、月を形成した衝突(これによりそれまで地球に水が存在していたとしても、すべて蒸発してしまった可能性がある)の後しばらくしてから、小惑星によってもたらされたと考えられてきた。今までのところ、小惑星上の水氷の計測は行われていないが、力学的にまとまったテミス族の2個の天体を含むいくつかの小型小惑星が彗星に似た活動をすることから、水氷の存在が推測されている。本論文では、小惑星24番テミスの表面に氷と有機化合物が存在することだけでなく、それらが広く分布していることを示している赤外線スペクトルについて報告する。24番テミスとほかの小惑星の赤外線スペクトルの違いから、現在のところテミスは独特な存在と考えられる。また、今回の氷と有機化合物の同定結果は、観測されたスペクトル構造の原因として考えられるほかの化合物を除外する、独立して行われた研究結果と一致する。24番テミスの表面に氷が広範囲にわたって存在することは、太陽からのこの距離(およそ3.2 AU)では曝露された氷の寿命が比較的短いため、いくぶん予想外である。それにもかかわらず、「インパクト・ガーデニング(impact gardening)」、または昇華、あるいはその両方を介して表面に水をもたらす、表面下の貯蔵層のような、可能性の高い供給源は複数考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る