Article 生理:骨前駆細胞の機能不全が骨髄形成異常および二次性白血病を誘発する 2010年4月8日 Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08851 間葉系細胞は正常および悪性の組織のほとんどで「間質」の形成に寄与しており、特定の間葉系細胞が幹細胞の調節性ニッチに関与している。今回我々は、間葉系の骨系統細胞による造血調節がどのように行われるかを調べることにより、マウスにおいて、成熟した骨芽細胞ではなく骨前駆細胞に特異的にDicer1遺伝子を欠失させると造血系が損なわれることを示す。その結果として骨髄形成異常が生じ、急性骨髄性白血病を発症し、いくつかの後天的な遺伝的異常がみられる。しかしながら、こうした細胞では、Dicer1は損なわれていない。Dicer1の欠失によって骨前駆細胞内で変化した遺伝子発現を調べたところ、Sbds遺伝子の発現が低下していた。この遺伝子は、骨髄機能不全および白血病素因状態を有するヒト疾患であるシュバッハマン・ボーディアン・ダイヤモンド症候群で変異が認められる。マウスの骨前駆細胞でSbdsを欠失させると、骨髄形成異常を伴う骨髄機能不全が誘発された。したがって、間質細胞の特定の間葉系細胞の異常は、異種性細胞の分化、増殖、およびアポトーシスを障害し、組織の恒常性を崩壊させる可能性がある。さらに、間質性細胞における一次性の機能不全により、二次性の腫瘍性疾患が発症する可能性があることは、ニッチが腫瘍形成を誘発するという考えを裏付けている。 Full Text PDF 目次へ戻る