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構造生物学:グループIIシャペロニンにおける折りたたみ室の閉鎖機構

Nature 463, 7279 doi: 10.1038/nature08701

グループIIシャペロニンは、真核生物や古細菌での細胞内タンパク質の折りたたみに必須のメディエーターである。約1メガダルトンのこの多量体タンパク質機械では、ポリペプチド基質を収容する中央の空洞を、背中合わせに並んだ2つの環が取り囲んでいる。シャペロニンが仲介するタンパク質の折りたたみは、この機械に組み込まれているふたの閉鎖に強く依存しており、閉鎖はATP加水分解がきっかけとなって起こる。ふたの閉鎖につながる構造的再配置や分子事象はまだわかっていない。今回我々は、古細菌のグループIIシャペロニンであるMm-cpnの、ヌクレオチドを含まない(開いた)状態とヌクレオチドにより誘導される(閉じた)状態の4つの単粒子低温電子顕微鏡(クライオ電顕;cryo-EM)構造について報告する。閉じたコンホメーションの4.3 Å分解能の画像を使って、単粒子クライオ電顕密度図からは初めての原子モデル直接構築が可能となり、ヌクレオチドと70%以上の側鎖が可視化できた。開いたコンホメーションのモデルは、分解能8 Åの開状態のクライオ電顕密度図で拘束をかけて変形可能な弾性ネットワークモデリングを使って得られた。以上の結果をまとめると、開いた構造と閉じた構造から、ATP加水分解が引き起こす局所的なコンホメーション変化が、リング内やリング間でのサブユニット間接触状態の変化につながり、最終的に揺動運動が起こってリングが閉鎖される仕組みが示される。我々の解析により、アロステリックな相互伝達とリング間シグナル伝達を制御する、複雑で予想外の相互作用群が存在し、グループIIシャペロニンにおけるコンホメーションサイクルを駆動していることがわかった。また、単粒子クライオ電顕とコンピューターモデリングを組み合わせた我々の方法は、溶液中の高分子機械の動的過程にかかわる原子レベルの詳細な動きを決定する強力な手法となると考えられる。

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