Letter 進化:変異に対するロバスト性は適応を促進することがある 2010年1月21日 Nature 463, 7279 doi: 10.1038/nature08694 ロバスト性は、進化可能性とは全く正反対のものにみえる。表現型が変異に対してロバストである(影響を受けにくい)場合には、集団は環境変化に適応しにくいだろうと推測され、実際にいくつかの研究ではそれが示唆されている。しかし、ほかの研究では、ロバストな生物のほうが適応しやすいと主張されている。ロバスト性と進化可能性との関係が定量的に解明されれば、これらの矛盾した結果の解決に役立ち、分子進化と実験進化、進化発生生物学、タンパク質工学における未解決の諸問題の解明につながるだろう。今回我々は、一般的な集団遺伝学モデルを使って、変異に対するロバスト性が適応を妨げる場合も促進する場合もあり、それは集団の大きさ、変異率、適応度地形の構造に応じて決まることを明らかにした。特に、変異によって個体が到達しうる表現型の数が適応度地形の全表現型数よりも少ないかぎり、ロバストな集団での中立な多様性は適応を加速させる可能性がある。これらの結果により、進化理論における重大な曖昧性について1つの定量的な解決がなされる。 Full Text PDF 目次へ戻る