Letter 遺伝子:腎がんの系統的塩基配列解読により明らかとなったヒストン修飾遺伝子の不活性化 2010年1月21日 Nature 463, 7279 doi: 10.1038/nature08672 腎明細胞がん(ccRCC)は成人の腎臓がんの最も広くみられるタイプであり、ほとんどの例でみられるVHL遺伝子の不活性化変異と既知のがん遺伝子の珍しい体細胞変異を特徴とする。ccRCCの遺伝学的性質をさらに明らかにするために、101の症例についてタンパク質をコードする3,544個の遺伝子の塩基配列解読を行った。本論文では、我々が最近報告したヒストンH3リシン27デメチラーゼであるUTX(KMD6A)に加えて、ヒストン修飾にかかわる酵素をコードする2つの遺伝子、ヒストンH3リシン36メチルトランスフェラーゼSETD2とヒストンH3リシン4デメチラーゼJARID1C(別名KDM5C)の不活性化変異を同定したことを報告する。この結果は、ヒトがんにおけるクロマチン修飾装置の構成成分の変異の役割をはっきり示している。さらに、VHLに変異が起こっていないccRCCにおけるNF2変異、またほかのいくつかのがん遺伝子候補が見つかった。以上の結果は、単一遺伝子の変異が支配的であるタイプのがんでもかなりの遺伝的不均一性が存在し、がんにおける体細胞の遺伝的構築を完全に決定するためには系統的なスクリーニングが重要であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る