Letter 生化学:DNAナノメカニクスによって、相補的DNAとマイクロRNA標的の直接的なデジタル検出が可能になる 2009年12月24日 Nature 462, 7276 doi: 10.1038/nature08626 生物試料中のDNA分子、RNA分子の検出・定量技術は、ゲノミクス研究で非常に重要な役割を担ってきた。この10年、遺伝子解析の検出性能を高め、コストを下げるためにいくつかの技術が開発され、特に、標識を用いない方法の進歩は著しい。しかし、フェムトモル以下の濃度のDNA分子を検出するには、増幅して検出する方法をとらなければならない。本論文では、ハイブリッド形成したDNA分子、RNA分子に特有なナノメカニカル応答が固有の分子標識として使えることを報告する。マイクロアレイ表面でのナノメカニカル測定ではバックグラウンドシグナルが十分に排除できるので、ハイブリッド形成した分子を直接検出し、計測できる。このセンサーのデジタル応答は、遺伝子発現プロファイリングに不可欠な、広いダイナミックレンジをもつ。我々は、腫瘍試料におけるマイクロRNAの発現の差異を測定した。このような測定は、転移腫瘍の原発組織を識別するのに役立つことが明らかにされている。この解析には、RNAが全量で200ピコグラムあれば十分なことがわかった。さらに、高純度の試料での検出限界は、1アトモルであることもわかった。これらの結果が示すように、マイクロアレイのナノメカニカル読み出しを用いれば、生化学的操作や増幅、標識化を行うことなく、遺伝子発現の解析のためにアトモルレベルの高感度と広いダイナミックレンジが期待できる。 Full Text PDF 目次へ戻る