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海洋:氷河は海洋環境への古くて不安定な有機物の供給源である

Nature 462, 7276 doi: 10.1038/nature08580

河川の有機物は、河口域の物質代謝の5分の1程度を支えている。したがって沿岸生態系は、河川によって運ばれる陸成の溶存有機物(DOM)の量と不安定性の両方の変化に敏感である。DOMの不安定性は、時間と共に変化すると考えられており、新しくて比較的変化していない有機物は水生従属栄養生物によって、古くて大きく変性した有機物よりも容易に代謝される。この考え方は、陸生植物や土壌起源のDOMが河川水のDOMの多くを占める流域での研究にもっぱらよって、展開されている。本論文では、アラスカ湾に面し、氷河被覆度が大きく異なる(0〜64パーセント)11の沿岸流域から得られた河川水DOMの特性を明らかにする。非氷河河川とは対照的に、海洋微生物によるDOMの生物学的利用率は、14C年代の増加と強く相関していることがわかった。さらに、最も氷河被覆度が高い流域は、最も古く(14C年代が約4,000年)、最も不安定な(66パーセントが生物によって利用可能な)DOMの供給源である。これらの氷河被覆度の高い流域の流出量が極端に多い原因の1つは、地球上で最大の氷河体積減少速度の影響を部分的に受けていることである。氷河に由来し、アラスカ湾への流出にかかわる溶存有機炭素の累積フラックスは、0.13±0.01 Tg yr−1(1 Tg = 1012 g)であり、そのうち約0.10 Tgが非常に不安定であると推定される。このことは、氷河の流出が海洋生態系への不安定な還元炭素の量的に重要な供給源であることを示している。さらに、氷河と氷床は全球の水文系で2番目に大きな水の貯蔵庫であるから、これらの発見は、気候によって駆動される氷河体積の変化が、沿岸海洋に流入するDOMの年代、量、反応性を変える可能性を示している。

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