Letter 進化:社会性をもつ種にみられる繁殖の偏りと雌の装飾にかかる選択 2009年12月10日 Nature 462, 7274 doi: 10.1038/nature08614 動物では、雌よりも雄に派手な装飾がみられることが普通である。古典的な性選択理論では、精子の生産コストが卵よりも低いため、そして一般的に雌と比べて雄のほうが繁殖機会を巡る競争が激しく、養育への投資が少ないため、複数回の交尾から得られる適応度上の利益は雄のほうが大きいといわれている。したがって、性選択は通常、雄のほうにより顕著な二次性徴をもたらすとされる。しかし、この一般論は近年、疑問視されている。なぜなら、協同繁殖を行う脊椎動物では、交尾相手の獲得や繁殖関連のほかの資源を巡る同性間競争で用いられる形質にかかる選択(性選択や社会選択)の強さは、雌雄で同程度だからである。協同繁殖種では、選択が雌雄に同程度の強さでかかっているため、同性間競争で用いられる形質の性的二型の度合いは低減するはずである。今回我々は、多様な社会性をもつアフリカのムクドリ科(Sturnidae)を対象として、協同繁殖性の種では、繁殖機会、その他の資源、あるいはより高い社会的順位を得るのに役立つ形質において雌にかかる選択が増大する結果、羽衣と体サイズにみられる性的二型の度合いが弱まることを実証する。そういった協同繁殖種では、雌間に繁殖機会の不平等があり(繁殖の偏り)、雌の順位が交尾相手やほかの資源の獲得に影響することから、雌どうしの同性間競争が強いと考えられ、最終的に雌の形質が派手になるよう選択が働く可能性がある。したがって、雌雄それぞれにかかる選択は協同繁殖種と非協同繁殖種で異なっており、群れ生活を送っている脊椎動物の雌間相互作用は、雌の形態、生理および行動形質の進化に重要な結果をもたらす。 Full Text PDF 目次へ戻る