Letter 地球:ポストペロブスカイト境界の厚さおよびクラペイロン勾配 2009年12月10日 Nature 462, 7274 doi: 10.1038/nature08598 マントル相転移境界の厚さとクラペイロン勾配は、境界の地震波による検出可能性とマントル対流に大きな影響を及ぼす。ペロブスカイト(Pv)とポストペロブスカイト(pPv)の境界(pPv境界)にみられる異常に大きな正のクラペイロン勾配は、最下部マントルの高温異常を不安定化するが、これは地震波による観測結果とは一致しない。本論文では、in situ条件である高圧(最大145 GPa)、高温(最大3,000 K)下においたレーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルで決定した、(Mg0.91Fe0.092+)SiO3と(Mg0.9Fe0.13+)(Al0.1Si0.9)O3のpPv境界の厚さについて報告する。測定されたクラペイロン勾配は、D″不連続面と一致する。しかし、両方の系で、pPv境界の厚さは400〜600±100 kmに増加しており、これはD″不連続面の厚さ(< 30 km)よりかなり大きい。フェロペリクレースのFe2+による緩衝効果は、pPv境界の厚さを減少させる可能性があるが、パイロライト組成ではAlとD″層の急激な温度上昇の影響で、境界は厚いままとなる。Al含有量が高くかつ(あるいは)Mg/Si比が低い地域ではpPv境界は特に厚くなり、熱的異常の浮力に対する大きな正のクラペイロン勾配の影響を減少させ、最下部マントルの組成的不均質性を安定させる。pPv転移がD″不連続面の原因であるならば、不連続面が鮮明な地域を説明するには、高いMg/Si比あるいは低いAl含有量のような異なる組成が必要となるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る