Article 生化学:DNA修復酵素のヘリックス内傷害との遭遇と押し出し 2009年12月10日 Nature 462, 7274 doi: 10.1038/nature08561 生命体が、100万倍を上回る量の無傷DNA内に埋もれた遺伝毒性傷害を検出する仕組みは、生物学における未解決の問題である。今回我々は、塩基除去DNA修復酵素の1つであるMutMが、DNA二本鎖中に存在する損傷を受けた核酸塩基である8-オキソグアニン(oxoG)と遭遇する最初期段階をとらえ、その構造を明らかにした。ヘリックス内oxoGに遭遇した際に形成される複合体の3つの構造を、oxoG損傷の代わりに正常なGを含む同様の配列をもつ構造と比較した。これらの複合体でのタンパク質とDNAの接触面の違いは、oxoGとGの間で異なる2つの原子だけだが、構造は顕著に異なっており、MutMは遭遇の最初期段階でDNA中の損傷を検出できることを示している。全原子コンピューターシミュレーションにより、酵素が傷害部位に遭遇したことでその部位がDNA二本鎖から押し出される経路が示され、押し出し経路に沿ったoxoGとGの自由エネルギーの決定的な違いをシミュレーションにより説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る