Letter 植物:突然の大規模なトランスポゾン増幅がイネの遺伝子発現にもたらす予想外の結果 2009年10月22日 Nature 461, 7267 doi: 10.1038/nature08479 高コピー数の転位因子は、真核ゲノムの大きな部分を占め、遺伝子およびゲノムの進化に大きく寄与している。しかし、宿主ゲノムがどのようにして数百あるいは数千もの挿入の爆発的発生を乗り切るのかは、そのような爆発的発生は自然界では極めてまれで、リアルタイムの観察が困難であるため、いまだに解明されていない。既報の研究で我々は、数系統のイネでDNAトランスポゾンmPingがコピー数を1個体、1世代当たり約40個も増大させていることを明らかにした。本論文では、全配列が明らかにされているイネゲノムを用いて、イネ24個体のハイスループット塩基配列解読により挿入部位1,664か所を特定し、比較マイクロアレイ分析によって挿入が遺伝子710個の発現に与える影響を評価した。転位因子の挿入の大多数は、遺伝子転写を活性化するものか、ほとんど影響を及ぼさないものであることがわかった。この比較的弱い影響は、mPingによるエキソンへの挿入が予想外に回避されていて、遺伝子の5′隣接配列に挿入される傾向があることを反映している。また、隣接する遺伝子にストレス誘導性を与える一群のmPing挿入によって、新しい調節ネットワークが生じていることも示す。したがって本研究は、ゲノムの再構成および遺伝子の調節に対する転位因子やその他の反復配列の関与に関して、以前に提唱されたモデルに根拠を与える。 Full Text PDF 目次へ戻る