Letter

気候:始新世-漸新世気候遷移における大気中の二酸化炭素

Nature 461, 7267 doi: 10.1038/nature08447

地質学的および地球化学的証拠は、33.5〜34.0 Myr前の始新世から漸新世への遷移期に、南極氷床が形成されたことを示している。モデル研究では、大気中の二酸化炭素濃度(pCO2atm)が約750 ppmvという臨界閾値を下回ったときに、このような氷床の形成が引き起こされた可能性が示唆されているが、氷床の発達に関係するpCO2atmの時期と大きさはまだよくわかっていない。本論文では、タンザニアで最近発見された地質断面からの、極めて保存状態のよい炭酸塩微小化石から得られたホウ素同位体のpH代理指標を用いて、気候遷移前から遷移後にわたる期間のpCO2atmを見積もった。本格的に氷が成長する前にpCO2atmの低下が起こり、遷移前の値への急激な回復が続き、さらにその後、より緩やかな低下が起こった。氷床の成長の最盛期には、pCO2atmは約450〜1,500 ppmvの間にあり、中央推定値は約760 ppmvだった。氷冠は、体積がいくぶん減少した可能性はあるが、pCO2atmの回復期にも残存し、これは(モデルが予測するように)融解時の気候強制に対する非線形的な応答を意味している。まとめると今回の結果から、南極氷床の発達におけるpCO2atm低下の重要な役割が確証され、これは炭素循環モデルとおおむね一致しており、65 Myr前に起こった地球で最大の気候遷移に関連する機構とフィードバックをしぼり込むのに役立つ。

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