Article 医学:レトロウイルスのキャプシド集合におけるミッシングリンクの可視化 2009年2月5日 Nature 457, 7230 doi: 10.1038/nature07724 ヒト免疫不全ウイルスのようなレトロウイルスが感染性をもつには、正しく形成されたキャプシドが必要である。しかし、レトロウイルスのキャプシドは意外なことに、構造が極めて多様である。フラーレンの構造から予想すると、キャプシドはキャプシドタンパク質(CA)の六量体と五量体により構成され、12個の五量体をどのように配置するかによって形態が変わり、大きさは六量体の数によって決まると考えられる。六量体については平面上やチューブ状の配置で研究されているが、予想される五量体は観察されていない。今回我々は、in vitroで集合させたラウス肉腫ウイルスの2種類のキャプシドの低温電子顕微鏡法による解析について報告する。この2つは共に正二十面体対称であり、一方は12個の五量体から、もう一方は12個の五量体と20個の六量体から作られている。2つのCAドメインの原子モデルの再構成像へのフィッティングにより、3種類のサブユニット間相互作用が示された。これらの観察により、フラーレン構造からの類推が実証され、各頂点で五量体がどのように収められているかが明らかになり、核形成が形態の重要な決定因子であるという推測が裏付けられた。また、五量体と六量体の特異な集合様式を制御しているのが、静電的な相互作用であることが示唆された。 Full Text PDF 目次へ戻る