Letter 生理:RHEB-1を介したシグナル伝達が、断続的飢餓による線虫の寿命延長に関与する 2009年2月5日 Nature 457, 7230 doi: 10.1038/nature07583 生物のさまざまな種において、食餌制限は寿命を延長する最も効果的で再現性のある方法である。哺乳類では、食餌制限の2通りの方法、すなわち断続的飢餓(IF)と慢性的カロリー制限が寿命を延ばし、老化に関連した疾患の発生率を低下させることが証明されている。IFの重要な特徴の1つは、カロリーの総摂取量をほとんど、あるいはまったく減らさなくても寿命が延びることである。しかし、IFによって起こる寿命延長の原因となる分子機構は、ほとんど解明されていない。今回我々は、線虫(Caenorhabditis elegans)の寿命を効果的に延ばすIFの方法を確立し、低分子量GTPアーゼRHEB-1が寿命の制御に2つの役割を果たしていることを明らかにする。RHEB-1はIFによる寿命延長に必要だが、一方でRHEB-1を阻害するとカロリー制限と似た影響がある。IFの場合のRHEB-1による作用の少なくとも一部は、インスリン/インスリン増殖因子(IGF)様シグナル伝達系エフェクターDAF-16を介して働く。解析から、飢餓によって上方制御される遺伝子の大半は、そのためにRHEB-1の機能を必要とすること、インスリン様ペプチドINS-7の飢餓による下方制御には、RHEB-1/TORシグナル伝達経路の機能が必要なことが明らかになった。これらの知見から、IFによる寿命の延長と遺伝子発現の変化に、RHEB-1によるシグナル伝達が極めて重要な役割をもつことがわかり、IFによる寿命延長とインスリン/IGF様シグナル伝達経路の間に、分子レベルの関連があることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る