Letter 材料:リン化インジウム・ナノワイヤーにおける双晶超格子 2008年11月20日 Nature 456, 7220 doi: 10.1038/nature07570 半導体ナノワイヤーは、ほぼ無限に複雑なボトムアップ方式の設計を実現する可能性をもち、これにより新しいデバイスの考案が可能になる。しかし、半導体ナノワイヤーの電子的特性を決定する非常に重要なパラメーターで、III-V族化合物半導体ではまだ制御が行われたことがないのが、ワイヤーの結晶構造と積層欠陥密度である。加えて、重要な特徴となるのは、双晶超格子が形成されるようワイヤー内での回転双晶の間隔が一定となることだろう。これによって、シリコンやガリウム・リンなどの通常の間接遷移半導体で直接遷移が誘発されると予測されているからである。技術的に関連のあるこれらの半導体の光学活性版が実現できれば、エレクトロニクスや光学の分野に大きな影響を及ぼすかもしれない。今回我々は、不純物ドーパントを用いてインジウム・リン(InP)ナノワイヤーの結晶構造を制御できることを初めて示す。亜鉛によって閃亜鉛鉱型InPの二次元核成長の活性化障壁が低下するため、通常みられるウルツ鉱型結晶構造ではなく、閃亜鉛鉱型InPナノワイヤーの結晶化が促進されることを見いだした。さらに重要なのは、いったん閃亜鉛鉱型結晶構造を作ってしまえば、InPナノワイヤー中に長距離秩序をもつ双晶超格子を誘発できることの実証である。ワイヤーの直径と亜鉛濃度を変化させることにより超格子の間隔を調整できる。また我々は、ナノワイヤーの断面形状変化に応じて起こる触媒ドロップレット(微小液滴)のひずみに基づくモデルを提示して、周期性双晶の形成を定量的に説明している。 Full Text PDF 目次へ戻る