Letter 宇宙:300〜800 GeVの高エネルギー宇宙線電子の過剰 2008年11月20日 Nature 456, 7220 doi: 10.1038/nature07477 銀河系宇宙線は、陽子、電子およびイオンからなり、これらの大半は超新星残骸で相対論的速度に加速されると考えられている。宇宙線の全成分は、エネルギーの増加に伴って強度がべき乗則に従って低下する(例えばE−2.7)。特に電子は、シンクロトロン過程および逆コンプトン過程を通じて急速にエネルギーを失い、比較的短寿命(およそ105年)であって、急速な強度低下がみられるので、近傍にある個々の放射源(1キロパーセク未満の距離内にある)からの寄与が観測される可能性が生じる。本論文では、およそ300〜800 GeVのエネルギーをもつ銀河系宇宙線電子が過剰に存在することを報告する。これは、近傍に高エネルギー電子源が存在することを示唆している。このような電子源は、電子を上記のような高エネルギーに加速する、未発見の天体(例えばパルサーやマイクロクエーサー)であるか、あるいは、電子はおよそ620 GeVの質量をもったカルーツァ・クライン粒子などの暗黒物質粒子)の対消滅から生じていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る