Letter 生態:捕食と競争の相互作用 2008年11月13日 Nature 456, 7219 doi: 10.1038/nature07248 競争と捕食は生態学で最も集中的に研究されている種間相互作用であり、種の多様性の維持に関する研究で主流となっている。しかし、これら2つの相互作用は極めて非対称的にとらえられるのが一般的である。資源をめぐる競争は多様性を制限する基本的な相互作用であり、捕食は競争の作用を変更させると考えられているが、理論モデルでは長い間さまざまな説が支持されてきた。今回我々は、包括的な三栄養段階モデルを用い、競争と捕食とが対称的にとらえるべきものであり、この2つの相互作用が多様性を制限したり増進したりする能力を等しくすることを示す。多様性の維持には、種内密度フィードバックループが種間のフィードバックループよりも強いことが必要である。これらのループに対する捕食および競争の寄与を単純な理解しやすい形で定量化したところ、多様性維持の増強もしくは減退に対して、両者が同等の能力をもつことが明らかになった。また、競争と捕食は互いに弱め合う存在であり、相互作用の強いほうが多様性の広がりを増進したり制限したりする傾向があることがわかった。競争と捕食の対称的な影響および相互作用がこれまで評価されていなかったため、多様性維持の研究は必要以上に制限されてきた。捕食が及ぼす影響について、これまで一般に考えられてきたよりも範囲を広げて検討するには、多栄養段階的な視点を導入すべきだろう。生物の保全管理戦略では、栄養相互作用の強度変化のもつ意味をもっと考慮する必要がある。 Full Text PDF 目次へ戻る