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構造生物学:細菌のSecYE構造から推測されるSec複合体の構造変化

Nature 455, 7215 doi: 10.1038/nature07421

タンパク質の30%以上は、膜を通って分泌されるか、膜内に挿入される。これら新しく合成されたタンパク質は、切断を受けるシグナル配列あるいは切断されない膜アンカー配列のどちらかを含み、それらの配列により進化的に保存されたSecトランスロコン(原核生物ではSecYEG、有核生物ではα-、γ-、β-サブユニットをもつSec61)へと導かれる。そして、トランスロコンはタンパク質を通すチャネルとして機能する。このようなタンパク質局在の過程は、タンパク質の翻訳後か翻訳の最中に起こる。細菌では、SecA ATPアーゼが翻訳後の膜透過に働いている。トランスロコンの現在までに得られている唯一の高分解能構造は、モータータンパク質SecAを欠く古細菌Methanococcus jannaschiiからのSecYEβのものである。今回我々は、SecAを含む生物であるThermus thermophilus由来のSecYEトランスロコンの3.2Åの結晶構造を示す。SecY抗体のFabフラグメントとの複合体として解かれたその構造は、以前得られたSecYEβの構造と比較すると、いくつかの膜貫通ヘリックスが移動し、細胞内に開いた疎水性の亀裂が生じており、SecYEの「pre-open(開前)」状態を示している。FabとSecAは、SecYの細胞内ドメインの先端の共通の部位へ結合する。分子動力学や、ジスルフィド結合のマッピング解析の結果、pre-open状態は、SecA結合により誘起されたSecYEの構造変化状態に相当する可能性が示された。さらに我々は、SecAとSecYEの結合部分を特定し、SecA分子の内部に埋もれている残基からなる領域もSecYEと結合することを見いだした。これらの結果は、機能的な複合体の形成時に、Sec複合体のチャネル部分とモーター部分が共に協調的な構造変化を起こすことを示している。

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