Letter 地球:コマチアイトメルト包有物中の鉄の酸化状態は始生代マントルが高温だったことを示している 2008年10月16日 Nature 455, 7215 doi: 10.1038/nature07377 コマチアイトは、主に始生代の年代をもつ火山岩で、マントルのカンラン岩が広い範囲にわたって溶融したことにより形成された。その起源については異論があり、異常に高温のマントルの無水溶融か、現在みられる温度よりやや高い温度での含水溶融のどちらかであるとされている。本論文では、鉄のK端X線の吸収端近傍構造の分光学的測定により、ジンバブエのベリングウェで採取されたカンラン石のメルト包有物として保存されていた27億年前のコマチアイトマグマの本来のFe3+/ΣFe比を、0.10±0.02と決定した。この値は、現在の大洋中央海嶺玄武岩の生成源と同じような酸化状態にある、ほぼ無水溶融を起こす生成源で作られたことと一致する。さらにこの低いFe3+/ΣFe値は、含水量がわずかに0.2〜0.3 wt%であることとあわせて、包有されたメルトがかなり多くの水を含んでいて、後にH2への還元と拡散により包有物から失われた可能性を除外している。このような機構では、1.5 wt%の水が失われるだけで、鉄は完全な酸化状態、すなわち、Fe3+/ΣFe比がほぼ1の状態になると考えられる。また、水分子が失われたことを示す記載岩石学的証拠もない。この結果は、ベリングウェのコマチアイトは、含水条件(3〜5 wt%の水)下での溶融ではなく、高温(約1,700℃)のマントルからの生成物であるとすることを裏付けており、始生代には極めて高温のマントルが存在したことを確証している。 Full Text PDF 目次へ戻る