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物性:オーバードープ高温超伝導体における量子振動

Nature 455, 7215 doi: 10.1038/nature07323

高転移温度(高Tc)銅酸化物超伝導体の金属相の性質およびキャリア濃度に伴うその変化は、長年の謎であった。主な疑問は、ドーピングによってコヒーレントな電子状態、つまり準粒子が反強磁性絶縁体からどのように現れるかということである。低濃度ドープ銅酸化物に関する最近の量子振動実験から、フェルミ面に小さなポケットが存在する証拠が示された。その形成は、擬ギャップ(常伝導励起スペクトルにおける原因不明の異方的ギャップ)の開きを伴っていた。ドープ量が増えるにつれ、全フェルミ面が元に戻ることが実験により示唆されている。しかし、擬ギャップが閉じるドープ濃度、およびこの点を超えた領域での電子基底状態の性質は、まだ明らかにされていない。今回我々は、オーバードープ超伝導体Tl2Ba2CuO6+δにおける量子振動の観測について報告する。それらは、明確に定義される準粒子の、ブルリアンゾーンの3分の2をカバーするような大きなフェルミ面の存在を示している。これらの測定結果から、オーバードープ超伝導銅酸化物では、擬ギャップが最大となり電子間相互作用が最も強くなるゾーン境界付近であっても、全フェルミ波数ベクトルでコヒーレンスが確立されることを確認できる。また、それらは、超伝導相図のオーバードープ側では一般化されたフェルミ液体の考えが適用できることを確証するものでもある。

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