Letter

行動:協力行動をとる掃除魚は単独よりペアのほうが質の良いサービスを提供する

Nature 455, 7215 doi: 10.1038/nature07184

サービス提供者は、単独で働くかパートナーと一緒に仕事を行うかによって、サービスの質を変化させる可能性がある。後者の場合は「囚人のジレンマ」に類似しており、提供者の一方はサービスを提供せずに提供者・被提供者間の相互作用から利益を得ようとするかもしれない。今回我々は、限界価値定理に基づくゲーム理論モデルを提出する。このモデルでは、依頼者がサービスを受ける期間を決定し、サービス提供者同士が相利のために協力するかぎり、提供者がペアを組む状況でサービスの質が高まることが予測される。この予測は、相手を変えない安定した雄雌ペアが、依頼者である魚を一緒に繰り返し掃除する、ホンソメワケベラ(Labroides dimidiatus)の相利共生的な掃除行動の野外観察および実験結果と一致する。掃除魚は依頼者の外部寄生虫を食べることにより協力するが、実際には欺いて依頼者の粘液を食べたがる。依頼者はそのような欺き行為を受けると去ってしまうことがしばしばなので、ペアで掃除している最中には欺き行為による利益はペアの一方の個体しか得られない。観察と実験のいずれのデータセットでも、ペアによる掃除行動では主に、相対的に体の大きな雄よりも小さな雌のほうがより協力的にふるまうことでサービスの質を向上させていた。対照的に、単独で行っている際の掃除行動は雌雄間で極めてよく似ていた。我々の結果は、種間協力に関する予測をより定量化するには、サービス提供者間の相互作用を考慮することが重要であることをはっきり示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度