海洋のデタッチメント断層の形成は、80 km Myr−1以下の速度で拡大している海嶺に沿って形成され、海底に露出した活動していない波状の断層面に基づいて十分明らかになっている。このような断層は最大1〜3 Myrにわたる伸張と適合させることができ、大西洋中央海嶺北部に沿って働いている2つの対照的な集積モードの1つと関連している。第一のモードは非対称集積で、1つの海嶺斜面に沿って活動するデタッチメント断層を含んでいる。第二のモードはよく知られた対称集積であり、マグマ過程が支配的で副次的な高角の断層運動と両側の斜面での深海丘の形成を伴う。本論文では、北緯12.5度と35度の間にある大西洋中央海嶺のおよそ2,500 kmを調べた結果を提示する。これにより、海嶺のほぼ半分に沿って非対称集積が存在することが明らかになった。この調査対象領域でこれまでに見つかっている熱水活動は、非対称集積と密接な関連があり、水中音響データと遠地地震記録は、ほぼ連続した地震活動を示している。地震活動の増加は、おそらくプレートの総隔離距離のかなりの部分を取り込んでいるデタッチメント断層に沿って起きていると考えられる。対照的に、対称集積を示す部分は地震活動が少なく、ほとんどはその部分の端で起きている。非対称集積部分に沿って噴出した玄武岩の組成は、対称集積部分の玄武岩よりも高圧で結晶化したことと、マントルのより深部まで部分溶融が広がっていることに一致する。地震学的証拠と地球化学的証拠は共に、関連する熱水循環が効率よくより深部まで浸透しているか、上昇するマントルの温度が低いため、海嶺の非対称部分では軸状リソスフェアはより厚く、温度がより低いことを示している。したがって、低速で拡大する海嶺に沿って発見されている海洋底の地形、地震活動、玄武岩の化学組成の変動性のほとんどは、デタッチメント断層が海洋リソスフェアの集積に頻繁にかかわっていることに原因があると考えられる。