Letter 発生:脊椎動物の口歯の2つの上皮起源 2008年10月9日 Nature 455, 7214 doi: 10.1038/nature07304 脊椎動物の口腔は、外胚葉の陥入から生じると一般に考えられている。この説と一致して、歯のエナメル上皮になる外胚葉と、象牙質と歯髄になる間充織由来の神経堤からのみ、口歯が生じるという考えが提唱されている。しかし多くの脊椎動物群では、歯は口腔内に限定されておらず、より後方にまで広がって、咽頭歯としても存在している。これは、内胚葉性上皮、あるいは口や鰓裂を通してその場所に到達した外胚葉性上皮に直接由来すると考えられる。しかしながら、内外胚葉系のはっきりした境界である口腔咽頭膜が壊れたとき、これらの細胞の運命がどうなるのかよくわかっていない。本研究では、遺伝子導入アホロートルを用い、細胞運命地図作製の手法を組み合わせた実験から、口歯が外胚葉と内胚葉の両方から形成されるという確かな証拠を示し、さらに歯は外胚葉/内胚葉混合起源であることを明らかにする。エナメル上皮は胚の異なる部位に起源をもつにもかかわらず、アホロートルの口歯は発生的に高い均一性を示し、起源が違うことを除けば全く同質である。この結果は、歯の形成開始において上皮よりも神経堤間充織が支配的な役割をもつことを示唆しており、進化という観点から考えると、上皮が「外から内へ」流れ込もうが「内から外へ」流れ込もうが、歯の進化における必須要素は、神経堤細胞による歯形成能であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る