Letter がん:PTENの脱ユビキチン化と局在はHAUSP-PMLネットワークにより制御される 2008年10月9日 Nature 455, 7214 doi: 10.1038/nature07290 PTEN(phosphatase and tensin homologue deleted in chromosome 10)腫瘍抑制因子の核外排出は、がんの進行と関連づけられてきた。だが、ヒトのがんでPTENの局在異常をもたらす機構は、今のところ不明である。我々は以前に、PTENの特定のリジン残基のユビキチン化が核と細胞質の間での分配を制御することを報告した。本論文では、機能をもつPML(promyelocytic leukaemia protein)ボディは、これまで知られていなかったPTEN脱ユビキチン化酵素であるHAUSP(herpesvirus-associated ubiquitin-specific protease、別名USP7)の作用に拮抗することによりPTENの局在を調整すること、またPTENが核に進入するためには、こうした分子条件が完全に整っていなければならないことを示す。前骨髄球性白血病では、PMLの機能がPML-RARα融合がんタンパク質により障害されており、PTENの局在異常がみられる。全trans-レチノイン酸や三酸化ヒ素などのPML-RARαの分解を誘導する薬物の投与により、核内にPTENが戻ることは注目に値する。PMLは、アダプタータンパク質であるDAXX(death domain-associated protein)の関与する機構を介して、PTENに対するHAUSP活性に拮抗する。こうした考え方を支持する証拠として、HAUSPがヒト前立腺がんで過剰発現しており、それに伴ってPTENの核外排除が起こっていることを示す。したがって、これらの結果は、PTENの脱ユビキチン化と輸送を調節する、これまで知られていなかったPML-DAXX-HAUSP分子ネットワークを明らかにしており、このネットワークはヒトがんではがん遺伝子の指示により異常を示すようになる。また、PTENの細胞内区画化に関する新たな脱ユビキチン化依存性モデルも明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る