Letter 生化学:HIV-1プロテアーゼのアミノ末端自己切断の際の一時的に起こる事象の可視化 2008年10月2日 Nature 455, 7213 doi: 10.1038/nature07342 HIV-1プロテアーゼは、GagやGag-Polなどのポリタンパク質を、自分自身も含めて、構造的にも機能的にも成熟したタンパク質に切断するので、ウイルス成熟に不可欠である。その成熟したプロテアーゼは、二量体となった場合にのみ活性があり、両方のサブユニットが触媒残基を提供している。全長のtransframe領域プロテアーゼ前駆体は単量体のようにみえるが、成熟様の酵素活性を表すと同時に、前駆体と推定される二量体の分子内切断により成熟する。成熟したプロテアーゼのアミノ末端やカルボニル末端は、活性部位から遠くに位置するサブユニット間βシートの一部であるのに、そのような分子内切断がどのようにして起こりうるのかは不明である。今回我々は、transframe領域プロテアーゼ前駆体に似せた4残基の延長部分がN末端側にある、活性がないミニ前駆体を用いて、N末端の自己切断の初期の事象を可視化した。数が少ない分子種の存在にも非常に感度がよい技術である常磁性緩和促進を用いて、ミニ前駆体が、極めて短寿命で、数が少ない(3〜5%)二量体である衝突複合体を形成し、この複合体は成熟した二量体の会合面を含むが、成熟した二量体に比べてサブユニットの配向が広い範囲にわたることを示す。さらに、成熟した二量体配置は、自己会合したもののうち非常に少ない割合を占め(これはプロテアーゼ前駆体の酵素活性が非常に低いことを説明する)、N末端の延長部分は基質結合部位とサブユニット内およびサブユニット間で過渡的に接触しており、したがって衝突複合体のアンサンブル中で二量体の正しい配向が示されたときに、自己切断を起こすことができる。 Full Text PDF 目次へ戻る