Letter 地球:アキモトアイトの結晶学的選択配向性とトンガスラブの地震波異方性 2008年10月2日 Nature 455, 7213 doi: 10.1038/nature07301 イルメナイト構造のMgSiO3である鉱物のアキモトアイトは、地球マントル遷移層底部と下部マントル最上部に、特に低温度条件下で存在する。アキモトアイトは沈み込むスラブのハーツバージャイト層の主要構成要素であり、マントル遷移層で最も異方性が大きい鉱物であると考えられている。アキモトアイト結晶が塑性変形によって選択配向性をもつならば、沈み込む低温のスラブは極めて強い異方性を示すと予測されている。しかしながら、結晶学的選択配向性の研究はなく、MgSiO3イルメナイトの塑性変形実験の報告もほとんどない。本論文では、封圧20〜22 Gpa、温度1,000〜1,300℃で実施した、多結晶アキモトアイトの塑性変形実験について報告する。その結果、アキモトアイトの結晶学的選択配向パターンが温度と共に変化し、高温では圧縮方向に平行にc軸が最も集中するが、低温ではc軸は剪断方向に平行にまたは圧縮方向と直交して選択配向することがわかった。これまでトンガスラブの北部と南部の間でマントル遷移層の深さで報告されたP波の地震波異方性の違いは、スラブ内で温度が変化することによりアキモトアイトの結晶学的選択配向パターンに差が出てくることが原因と考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る