Article 生化学:コクヌストモドキのテロメラーゼの触媒サブユニットTERTの構造 2008年10月2日 Nature 455, 7213 doi: 10.1038/nature07283 ヒトのがんの共通の特徴として、染色体の末端部分の長さや完全性の維持にかかわるリボ核タンパク質複合体であるテロメラーゼの過剰発現がある。テロメア長の脱制御やテロメラーゼの活性化は、がん細胞の進化において初期に出現した、そしておそらく必須の過程である。今回我々は、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)のテロメラーゼの触媒サブユニットであるTERTの高分解能構造を示す。そのタンパク質は、3つの高度に保存されたドメインからなり、レトロウイルスの逆転写酵素、ウイルスのRNAポリメラーゼ、そしてBファミリーのDNAポリメラーゼと共通の特徴をもつリング状の構造を形成している。ドメインは、基質の結合や触媒活性にかかわると考えられているモチーフがこのリング内に配置されるようにまとまっている。このリングは、二本鎖核酸の塩基7から8つを収納可能である。リングの内側でのRNAとDNAのヘテロ二本鎖のモデリングにより、タンパク質と基質である核酸が完全にかみ合うこと、またDNAプライマーの3′末端の位置が酵素の活性部位にあることが明らかになり、これは活性のあるテロメラーゼで伸長複合体が形成されることの証拠となる。 Full Text PDF 目次へ戻る