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細胞:真核生物の開始因子6は、翻訳、増殖、形質転換の律速因子である

Nature 455, 7213 doi: 10.1038/nature07267

細胞の成長と増殖には、協調のとれたリボソーム生合成と翻訳が必要である。真核生物の開始因子(eIF)類は、翻訳開始という律速段階で翻訳を制御している。これまでのところ、細胞外刺激と翻訳全体の速度を関連付けるeIFは2種類だけである。1つはeIF4F複合体中で機能するeIF4Eであり、増殖因子の下流で、キャップ構造をもつメッセンジャーRNAの40Sサブユニットへの結合を調節する。もう1つはeIF2で、40Sサブユニットへの三元複合体の結合を制御し、ストレス刺激によって阻害される。細胞外刺激をリボソームの60S大サブユニットの活性と結びつけるeIFは、これまで見つかっていない。in vitroでは、eIF6は60Sリボソームサブユニットに結合してリボソームの集合を妨げる。しかし、酵母での研究では、eIF6は翻訳よりもリボソーム生合成に必要なことがわかっている。今回我々は、in vivoで哺乳類のeIF6が効率のよい翻訳開始に必要であることを明らかにする。eIF6ヌル胚は着床前に死亡する。ヘテロ接合マウスでは、すべての組織でeIF6レベルが50%低下しており、肝組織と脂肪組織の量が減少する。これは細胞数が減少し、G1/Sの細胞周期の進行が妨げられるためである。eIF6+/−細胞では核小体のeIF6レベルが十分に保たれ、正常なリボソーム生合成が起こる。eIF6+/−マウスの肝臓では、ポリソームプロファイルで80Sの増加が認められ、翻訳開始に欠陥があることがわかる。単離した肝細胞ではインスリン刺激による翻訳が起こらないことは、これと一致する。ヘテロ接合マウスの胎仔繊維芽細胞ではこのマウスの表現型が再現され、リボソーム生合成は正常で、インスリン刺激による翻訳が低下し、G1/S期の進行が遅れる。またeIF6+/−細胞は、がん遺伝子の誘導による形質転換が起こらない。したがってeIF6は、60S大サブユニットに結合し、細胞外シグナルに応答して翻訳を調節する初めて見つかったeIFである。

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