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工学:電場による磁化ベクトル操作

Nature 455, 7212 doi: 10.1038/nature07318

従来の半導体デバイスは、スカラー量である電場を使って導電率を制御して、情報処理を行う。磁性材料においては、磁化というベクトル量の方向が基本的に重要である。磁気データ記憶の場合、電流によって生じる磁場(Oersted-Ampère場)を利用して磁化が操作されており、現在、不揮発性磁気メモリ用としてスピン流による磁化操作が研究されている。半導体デバイスと完全に互換性のある磁化制御を行うためには、電場で磁化を制御することが強く望まれる。従来、電場による磁化制御は、圧電性を利用して発生させた機械的なひずみによって生じる磁気ひずみを用いることが行われてきた。また、強誘電性と強磁性が共存するマルチフェロイック材料が広く研究されていて、磁気電気効果を利用した電気分極の磁場制御がこれらの材料で報告されてきた。しかし、その逆の効果、すなわち磁化の電気的直接制御は、まだ観測されていない。今回我々は、強磁性半導体(Ga,Mn)Asにおいて電場だけで磁化の操作が実現できることを示す。磁化方向を決定する磁気異方性は、(Ga,Mn)As中の電荷キャリア(正孔)濃度に依存する。金属-絶縁体-半導体構造体を用いて電場を印加することによって正孔濃度を制御でき、そのため磁気異方性も制御できる。これにより磁化方向の操作が可能になる。

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