Letter 量子情報科学:非古典共振器場状態の再構成とそれらのデコヒーレンスのスナップショット 2008年9月25日 Nature 455, 7212 doi: 10.1038/nature07288 ミクロな系の状態にはその状態を量子論的に完全に記述するための情報が含まれており、これからすべての測定結果の確率を求めることができる。この状態は統計的な概念であるため、1回の系の実現では得ることができないが、別々の実現に対して測定を行うことで、それらコピーの集団から再構成できる。トラップされた粒子集団を環境から遮蔽してその状態を再構成することは、量子-古典境界の研究において重要なステップになる。トラップされた原子状態の再構成は達成されているが、トラップされた光子による同様の実験は、光をかなり長い時間蓄積する共振器が必要になるため難問となる。本論文では、共振器にトラップされたさまざまな輻射場の状態を完全に再構成し、図式的に表した結果を報告する。いくつかの光子は共振器中に十分長い時間存在することができるため繰り返し測定することが可能となっており、共振器を1個ずつ横断する原子を使って、場に関する情報を求める。我々はコヒーレント状態、光子数が一定のフォック状態と、シュレーディンガーの猫状態(異なる位相をもつコヒーレント状態の重ね合わせ)の像を得た。これらの状態はその密度行列、あるいは等価的にそのウィグナー関数で表せる。準古典なコヒーレント状態はガウス形をしたウィグナー関数になり、一方、フォック状態とシュレーディンガーの猫状態のウィグナー関数は振動し、負になることで、量子干渉を明らかにしている。共振器中の場の減衰によってデコヒーレンスが生じ、そのためこのような振動は急激に洗い流されてしまう。我々はこの過程を観測し、デコヒーレンスの発展を、シュレーディンガーの猫状態のスナップショットを連続する時間で再構成することで追跡した。この再構成手法は、1個、あるいは2個の共振器にトラップされた場のデコヒーレンスと量子フィードバックをさらに研究するときの有用なツールになる。 Full Text PDF 目次へ戻る