Article 発生:胚性幹細胞からの内因的な大脳皮質形成の機序 2008年9月18日 Nature 455, 7211 doi: 10.1038/nature07287 大脳皮質の発生では数十種類のニューロンが協調的に形成されるが、そこに関与する機序についてはよくわかっていない。今回我々は、in vitroにおいて、モルフォゲンは存在しないがsonic hedgehog阻害物質は存在する条件下で培養したマウス胚性幹細胞が、大脳皮質発生の主要な事象を再現し、実際の皮質錐体ニューロン群の顕著な特徴の大部分を示す多様なレパートリーのニューロンを順番に産生することを示す。これらのニューロンを大脳皮質に移植すると、皮質のさまざまな層に加えて、特に視覚野および辺縁野などの非常に特異性の高い皮質領域に対する軸索投射パターンが形成され、このことによって、皮質領域の独自性は脳からの影響を受けなくても特異化されうることが明らかになった。大脳皮質が内因的に形成されることの発見は、ニューロンの細胞運命指定の機序を解明する新たな手がかりとなり、脳疾患のモデル化と治療に向けた新たな道を開くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る