Letter 生化学:30S翻訳開始複合体の構造 2008年9月18日 Nature 455, 7211 doi: 10.1038/nature07192 タンパク質合成の一般的過程の律速段階である翻訳開始は、厳重に制御された段階を順次介して進行する。細菌では、開始因子IF1とIF2、IF3の助けで開始コドンがfMet-tRNAfMetアンチコドンによりリボゾーム30Sサブユニットのペプチジル部位で認識されたとき、正しいメッセンジャーRNA開始部位とリーディング・フレームが選択される。これにより、70S開始複合体(70SIC)形成の中間体である30S開始複合体(30SIC)が生じる。30SICにリボゾーム50Sサブユニットが結合して開始因子を放出すると、70SICが作られる。今までのところ、生化学的な方法による30SIC内でのIF2の局在位置決定は困難だとされてきたが、今回、低温電子顕微鏡法と三次元統計解析を基にした高度な粒子分類法を用いて、この問題に取り組めるようになった。本論文では、mRNAとfMet-tRNAfMet、開始因子IF1とGTPを結合したIF2を含む30SICの直接の可視化について報告する。fMet-tRNAfMetが、安定な複合体の形成に寄与する2つの相互作用、すなわち30Sペプチジル部位に埋まった、転移RNA認識にかかわるステムを含む相互作用と、IF2のカルボキシ末端ドメインとtRNAアクセプター・ステム末端との間で起こる相互作用により特徴的な位置とコンホメーションが正確に保持されていることを示す。この構造により、70SIC組み立て機構に関する知見が得られ、また、IF2のGTP結合ドメインが50SサブユニットのGTPアーゼ活性化中心に直面している可能性が示されたことで、30SICと50Sの結合により起こるGTP加水分解の迅速な活性化が合理的に説明される。 Full Text PDF 目次へ戻る