Letter 環境:全地球的炭素シンクとしての老齢林 2008年9月11日 Nature 455, 7210 doi: 10.1038/nature07276 老齢林は、大気中から二酸化炭素を取り込んでいるが、その速度は気候および窒素堆積によって異なる。こうして森林に隔離された二酸化炭素は、生きた樹木の組織や、落葉落枝および土壌中でゆっくり分解される有機物に貯蔵される。これにより、老齢林は全地球的な二酸化炭素シンクとして機能しているが、一般には古くなってきた森林は炭素を蓄積しなくなると考えられているため、国際条約の保護の対象になっていない。本論文では、森林の炭素フラックスの推定値に関する文献およびデータベースを検索した結果を報告する。15〜800年を経た森林では、正味の生態系生産力(土壌を含む森林の正味の炭素収支)が通常はプラスであることがわかった。この結果は、老齢林では炭素収支がプラスでもマイナスでもないとする従来の見方とは異なり、炭素蓄積が維持可能なことを示している。全球森林面積の30パーセント以上は人為的な管理を受けていない自然林であり、その中には現存する老齢林も含まれる。自然林の半分(6×108ヘクタール)は、北半球の亜寒帯および温帯地域に存在している。我々の分析によれば、これらの森林だけで毎年約1.3±0.5ギガトンの炭素を隔離している。したがって、今回の知見から、上昇を続ける大気中二酸化炭素濃度を相殺する場合には、全球森林面積の現在は考慮されていない15パーセントが、正味の全球生態系生産力の少なくとも10パーセントを占めていると考えられる。老齢林は何百年にもわたって炭素を蓄積し、膨大な量の炭素を貯蔵している。しかし、老齢林が撹乱を受けた場合には、土壌炭素までを含めた貯蔵炭素の大部分が大気中へ戻ると予想される。 Full Text PDF 目次へ戻る