Letter

化学:表面触媒脱水素環化による芳香族前駆体からのフラーレン合成

Nature 454, 7206 doi: 10.1038/nature07193

グラファイトの蒸発は、制御性はないが、効率のよいフラーレン分子合成方法である。しかし、いくつかのフラーレン誘導体や珍しいフラーレン種は、合理的で制御された合成方法でしか生成できないだろう。最近、そのような方法を使って、市販の出発物質から単離可能量のフラーレンC60が合成された。しかし、適切な多環芳香族前駆体分子を合成するのに、反応過程全体で11ステップを要しており、前駆体分子は続いて気相中で脱水素化されたが、収率は約1パーセントでしかなかった。今回我々は、効率の高い表面触媒脱水素環化過程を用いて、芳香族前駆体からC60およびトリアザフラーレンC57N3を合成したことについて報告する。前駆体を白金の(111)面に堆積させて750 Kで加熱すると、対応するフラーレンおよびトリアザフラーレン分子にほぼ100パーセントの収率で変換されることがわかった。適切な前駆体が得られさえすれば、この方法でさまざまなフラーレンやヘテロフラーレンの合成が可能になると予想される。また、この反応過程がゲスト種を含む雰囲気中で行われれば、原子や小分子を封入した内包フラーレンも形成できると考えられる。

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