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医学:ショウジョウバエにおけるRNA干渉スクリーニングによってインフルエンザウイルスの複製に重要な宿主遺伝子を同定する

Nature 454, 7206 doi: 10.1038/nature07151

あらゆるウイルスは、宿主細胞のタンパク質およびそれらが関連する仕組みに依存して、ウイルスの生活環を成立させている。ウイルス複製の各ステップにかかわる宿主分子を同定できれば抗ウイルス治療のための有用な新規標的となるが、通常の前向き遺伝学的スクリーニング法や哺乳類細胞の培養を用いていては、この目標の達成に何十年もかかるだろう。本論文では、インフルエンザウイルスの複製に重要な宿主遺伝子の同定に使える可能性のある、ショウジョウバエの新しい全ゲノムRNA干渉(RNAi)スクリーニングについて報告する。インフルエンザウイルスを改変して、ショウジョウバエの細胞に感染させて遺伝子発現を検出できるようにした後、ショウジョウバエのゲノムの90%にあたる13,071個の遺伝子に対してRNAiライブラリーを検討した。その結果、ショウジョウバエの細胞で発現抑制することで、インフルエンザウイルス由来ベクターからのレポーター遺伝子(Renillaルシフェラーゼ)発現を有意に抑制あるいは活性化させる100個以上の遺伝子を見いだした。この結果が哺乳類細胞のインフルエンザウイルス感染と関連があることは、今回同定されたショウジョウバエ遺伝子の一部で示されている。すなわち、該当する3つのショウジョウバエ遺伝子のヒトホモログであるATP6V0D1COX6A1NXF1遺伝子がH5N1型やH1N1型のA型インフルエンザウイルスの複製で重要な役割を担っているが、水疱性口内炎ウイルスやワクシニアウイルスの複製には関与していないことが、ヒトHEK293細胞で示されている。したがって我々は、ショウジョウバエの全ゲノムRNAiスクリーニングを使って、インフルエンザウイルスの複製に必要な、これまで認識されていなかった宿主タンパク質の同定が可能であることを実証した。この方法で、化学的予防や治療のための新しい種類の抗ウイルス薬の開発が促進される可能性がある。こうした薬剤は、汎流行性インフルエンザに対して、また利用可能な薬剤に耐性をもつ株が出現した場合に、有効なワクチンの迅速な開発が困難であることを考えると、緊急に必要とされる。

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