Letter 物理:共鳴的に相互作用する超流体におけるフェルミオン対の大きさの決定 2008年8月7日 Nature 454, 7205 doi: 10.1038/nature07176 フェルミオンが超流動になるには粒子対の形成が必要であり、その大きさは中性子星や原子核のフェムトメートルスケールから、従来型超伝導体のマイクロメートルスケールまで変動する。超流体の特性の多くは、対の粒子間間隔に対する相対的大きさに依存する。これは、緩く結合した大きいクーパー対のバーディーン-クーパー-シュリーファー(BCS)型超流体から、強く結合した分子のボーズ-アインシュタイン凝縮体(BEC)へのクロスオーバーを記述する「BCS-BECクロスオーバー」理論で説明される。このようなクロスオーバー超流体は極低温原子気体で実現されており、この気体では高温の超流動が観測されている。フェルミオン対の微視的な特性は、高周波分光法により調べることができる。しかし、これまでの研究は、あまりよく理解されていない強い終状態相互作用のため、解釈が難しかった。本研究では、このような相互作用が無視できる程度の影響しか及ぼさない超流体スピン混合体を実現し、その背後にあるペアリング相関を明らかにするフェルミオン対の解離スペクトルを示す。これによって、共鳴的に相互作用する気体中の分光学的対の大きさは、粒子間間隔より20パーセント小さいと決定できた。これらはフェルミオン超流体で今まで観測された最小の対であり、高い臨界温度の超流動に小さいフェルミオン対が重要であることをはっきり示している。我々はまた、強い終状態相互作用の場合には、フェルミオン対から束縛分子状態へ、また多体束縛状態への転移が起こることを突き止めた。 Full Text PDF 目次へ戻る