Letter 宇宙:局所的な暗黒物質分布における塊と流れ 2008年8月7日 Nature 454, 7205 doi: 10.1038/nature07153 冷たい暗黒物質(ダークマター)宇宙論モデルでは、より小さい単位の合体を通じて構造が形成され、成長する。数値シミュレーションは、そのような合体が不完全であり、ハローの内側のコアはそれらの親天体内で「サブハロー」として生き残り、軌道運動していることを示している。本論文では、銀河系ハローの最も内側の領域で、そのような部分構造を解像するシミュレーションについて報告する。我々は、太陽円近傍に生き残っている、非常に密集度の高い数百個の暗黒物質の塊や、多数の低温の流れを見いだした。シミュレーションは、暗黒物質のクラスター化のフラクタル的な性質をも明らかにしている。孤立したハローとサブハローは、それらのもつ部分構造の相対量が同じであり、共に内部密度分布に尖点がある。サブハローの内部質量と位相空間密度は、暗い暗黒物質が大勢を占める最近発見された矮小伴銀河のものと一致し、部分構造の総量は、強力な重力レンズにみられる異常なフラックス比を説明できる。サブハローは、滑らかな銀河モデルに比べて、暗黒物質の消滅によるγ線の生成を、4倍から15倍促進する。局所的な宇宙線生成も典型的には1.4倍に高まるが、巨大なサブハローの十分な近傍に位置する場所の1パーセントでは、10倍以上に高まる。(これらの推算は、暗黒物質の部分構造に及ぼすバリオンの重力的な影響が小さいと仮定している。) Full Text PDF 目次へ戻る