Letter 地球:地球内核の成長とマントル不均質性を結びつける熱化学的流れ 2008年8月7日 Nature 454, 7205 doi: 10.1038/nature07109 地球内核の上部100 kmを通る地震波によって、東半球(40°E〜180°E)では西半球よりも地震波伝播速度が速く、より等方的で減衰が大きいことが示されている。このように半球ごとに構造が異なる原因は、力学的に連結した層からなる系として地球を解明する際の難問である。これまでに室内実験から、下部マントルの熱的な支配により外核の流体の流れが極めて大きな影響を受け、内核最上層固化領域の組織に不均質性が生じうることが立証されている。その結果できる組織は、特に過去5 Myrにわたり時間平均した古地磁気場における磁束の集中や、過去の地球磁場永年変動の解析により核マントル境界の下の流れを画像化したときの優先的な渦の位置などの、地球ダイナモにマントルの熱的な支配が及ぶことで生じると予想される現象と一致しているはずである。本論文では、熱化学的対流とダイナモ運動の単一モデルによって、このような影響をすべて説明できることを示す。外核内に大規模で長期にわたる流体運動が生み出され、内核の不均質性と下部マントルの不均質性が結びつけられる。この熱化学的な「風」の主な特徴は、アジアの下にある低気圧のような渦であり、これが核マントル境界の観測された場所に磁場を集中させ、核内の流れの画像と局所的に一致している。この風はまた内核境界の東半球で軽元素を異常な高速度で放出させるので、内核最上部にある水平方向の地震波異常はその固化速度のマントルによる変動から生じていることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る