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生化学:ニューロトロフィン3とp75NTRの対称な複合体の結晶構造

Nature 454, 7205 doi: 10.1038/nature07089

ニューロトロフィン(NT)はいろいろな末梢神経や中枢神経の生存、分化や維持に重要な調節因子である。NTは2つの異なる種類の糖鎖付加受容体、つまりp75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)とチロシンキナーゼ受容体(Trk)に結合する。p75NTRはすべてのNTに結合するのに対し、Trkのサブタイプはおのおの、NTと特異的に結合する。NTが受容体のホモ二量体化によりp75NTRを活性化するのかどうかは、現在も論争中の問題である。今回我々は、糖鎖付加されたp75NTRの細胞外ドメインと複合体を形成したニューロトロフィン3(NT-3)の分解能2.6 Åの結晶構造を報告する。以前に報告された複合体構造は、糖鎖を外したp75NTRの細胞外ドメイン1つと、神経成長因子(NGF)二量体が結合した非対称的なものだったが、我々はそれとは異なる、NT-3が中央でホモ二量体を形成し、その周りに糖鎖付加されたp75NTR分子2つが対称的に結合している構造を示す。対称的な結合はNT-3表面を介して起こっており、結果として、基質と受容体が2対2の比率で存在するクラスターが形成されている。対称的な構造と非対称的な構造の比較から、基質と受容体の相互作用とp75NTRの構造に大きな違いがあることが明らかになった。生化学的な実験により、溶液中ではNT-3とNGFは共にp75NTRと2対2の比率で結合しており、2対1の複合体は人為的に糖鎖を除いた結果であることが示された。それゆえ我々は、対称的な2対2複合体が、細胞表面でのp75NTR活性化の本来の状態を表していると提案する。これらの結果は、NTとp75NTR間の認識とシグナル発生のモデルばかりでなく、p75NTRとTrkの間の協調に関する手がかりも与えるものである。

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