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行動:扁桃体介在ニューロンは恐怖消去の発現に必要である

Nature 454, 7204 doi: 10.1038/nature07167

動物やヒトの恐怖学習研究が一致して示すところでは、ヒトの不安障害の理解に向けて最大の期待がかけられているのは、恐怖を仲介する回路の解明である。哺乳動物では、それ以前に痛みを生じる刺激と組み合わされていた条件刺激を、その後繰り返し与えることで、条件性恐怖反応が徐々に消退していく。この消去過程が扁桃体内部の可塑的変化によることは、多くの証拠から示唆されてはいるものの、その基盤となる機構は依然明らかではない。扁桃体介在(ITC)ニューロンは、底外側扁桃体(BLA)からの条件刺激についての情報を受けていることと、条件性恐怖反応のための扁桃体の主力出力基地である中心核(CEA)へ抑制性投射を送っていることとから、この恐怖消去に関わっている可能性が高い。したがって、消去訓練の後には、条件刺激に関連したBLAからのCEAへの入力の強さを、ITC細胞がフィードフォワード抑制を通じて低下させている可能性がある。今回、ITCニューロンが消去を仲介するとするこの仮説を、オピオイドμ受容体(μOR)を発現する細胞を選択的に標的とする毒素を用いて、ITCニューロンを破壊することにより検証した。電子顕微鏡観察で、μOR免疫活性のあるシナプスの出現率は、BLAやCEAに比較してITC細胞群ではるかに高く、μORは通常、ITC細胞の後シナプス部位にみられる。これと一致して、μORのアゴニストであるデルモルフィンにサポリン毒素を結合させたものをITC細胞の近傍に両側性に注入したところ、ITC細胞数の34%の減少が起きたが、周囲の神経核では有意な細胞死は起きなかった。さらに、ITC細胞の破壊によって消去の発現に顕著な低下が起こり、この低下はITC細胞の生存数と負に相関していたが、CEA細胞の数とは相関しなかった。ITC細胞が受容体の発現に特異なパターンを示すことから、今回の知見は不安障害の治療に新たな道を開くものである。

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