Article 行動:別個の神経回路による恐怖のスイッチ切り替え 2008年7月31日 Nature 454, 7204 doi: 10.1038/nature07166 探索行動をとるか防御行動をとるかの切り替えは、多くの動物の生存にとって基本的なものだが、この切り替えが特定の神経回路によってどのようになされるのかは、まだわかっていない。本論文では、マウスでの恐怖の消去と文脈依存的な恐怖の再発という正反対の行動状態をモデルとして使い、恐怖の強弱状態間の両方向性の移行が、扁桃体基底部にある2つの別個なニューロン集団間での活動バランスの迅速な切り替えによって起こることを示す。この2集団は、それぞれ海馬と内側前前頭皮質とに別々に結合した神経回路の中に組み込まれている。扁桃体基底部を標的として可逆的なニューロン不活性化を行うと、記憶や行動の表現に影響を与えることなく、行動変化が防がれる。この知見は、異なる行動状態間の切り替えが、それぞれ感覚情報と文脈情報を統合する特定の神経回路の選択的活性化によって起こることを示している。今回の報告は、恐怖行動の文脈依存的な変化を理解する上での新たな枠組みを提供するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る