Letter

物理:近藤格子のスケーリング

Nature 454, 7204 doi: 10.1038/nature07157

金属における磁気秩序の起源には2つの極端に違うものが挙げられる。その1つは、伝導電子を介して相互作用する局在磁気モーメント液体の不安定性であり、もう1つは遍歴電子フェルミ液体のスピン密度波不安定性である。この「局在モーメント」磁性と「遍歴電子」磁性という二極性は、化学結合の研究でみられる原子価結合/分子軌道の二極性を連想させる。セリウム、イッテルビウム、そして種々の5f元素からなる重い電子系金属間化合物群は、高温での局在モーメント状態から、低温で遍歴型電子の磁気特性が生じることによって、これら両極限をつないでいる。この転移の定量的記述は難しいことがわかっており、まだ解決していない主要な問題の1つは、この挙動が進化する温度スケールを決定する因子の発見である。本論文では、この問題に対する簡単で半定量的的な解を提出し、この解が重い電子系物質の物理的性質を説明する基本的枠組みになり、これら物質の磁気秩序と超伝導性の物理起源を定量的に決定する見通しが得られることを示す。またこの解から、単一の磁性不純物に対する伝導電子の応答と、局在モーメントの格子に対する伝導電子の応答とを識別する温度スケールの間の差が明らかになり、よく知られているDoniach相図の改定版が得られた。

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