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細胞:出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のATMオルソログは、切断による染色体転座を抑制する

Nature 454, 7203 doi: 10.1038/nature07054

染色体転座は、血液関連のさまざまな種類のがんや小児の肉腫にみられることが多い。染色体転座の検出はこれらの病気の診断、治療、予後の予測の助けになるが、その重要性にもかかわらず、染色体転座につながる分子機構はあまりわかっていない。これまで得られている証拠からは、その発生にDNA二本鎖切断(DSB)の非相同末端連結(NHEJ)がかかわることが示されている。今回我々は、酵母で2個の異なる染色体上に切断を作ってからつなぐことによって染色体の相互転座を引き起こす系を開発した。染色体間の末端連結は、Tel1に依存した経路とMre11-Rad50-Xrs2に依存した経路によって、効率よく抑制されていることがわかった。これは、Tel1がテロメアの維持に果たす役割やMec1、Tel1に依存したチェックポイント制御とは別の働きである。DSBが引き起こす染色体転座を抑制するには、Tel1とDun1のキナーゼ活性、損傷によって起こるSae2とヒストンH2AXのリン酸化が不可欠である。Tel1とSae2に依存して起こるつなぎ止めと切断された染色体末端の5′から3′方向への分解の促進によって、誤りの多いNHEJと染色体間NHEJが抑えられ、DNA損傷の際に染色体の完全性が保たれる。今回の結果は、酵母のTel1がヒトのATMと同様に、DSBが引き起こす染色体転座を抑制する経路において染色体の完全性を守る重要な調節因子として働くことを示しており、これはATM欠失細胞のがんにつながる染色体転座にも、おそらく関係があるだろう。

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