Article 細胞:G1サイクリンの正のフィードバック機構により協調した細胞周期への進入が確実になる 2008年7月17日 Nature 454, 7202 doi: 10.1038/nature07118 出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)では、「スタート」チェックポイントが細胞内、細胞外からの複数のシグナルを統合し、細胞周期に進入するかどうか、全か無かの判断が下される。本論文では、調節ネットワークのシステムレベルのフィードバックによって、スタート・チェックポイントがスイッチのように働くことを明らかにする。スタート活性化に直線的カスケードを考える現在のモデルとは対照的に、G1サイクリンCln1とCln2の転写に対する正のフィードバックによって、およそ200遺伝子のG1/Sレギュロンがほぼ一斉に発現する。核のCln2はレギュロンの協調した発現を引き起こし、細胞質のCln2は効率よい出芽を促す。CLN1遺伝子とCLN2遺伝子が欠失した細胞は出芽しない状態にとどまることが多く、細胞質Cln2の欠乏とG1/Sレギュロンの不十分な発現の両方のために、変動により適応度の大きな不利を被る。したがって、正のフィードバックによって増幅されるCln1とCln2の発現が、確実な出芽と迅速で協調したレギュロンの発現を同時に推進する。哺乳類細胞でも、非オルソロガス遺伝子で構成された同様のG1/S調節ネットワークがあって、調節機構の保存あるいは収束進化に関与しているのではないかと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る