Letter 生理:in vitroで進化された低分子リボザイムによる特異的tRNAアミノアシル化反応の構造的基盤 2008年7月17日 Nature 454, 7202 doi: 10.1038/nature07033 現生生物がもつ転移RNA(tRNA)のアミノアシル化は、すべてタンパク質酵素によって行われている。一方、RNAワールドで起きたタンパク質合成系の進化には、この反応を触媒するRNAが必要であったはずだ。事実、in vitro進化法を用いて、活性化アミノ酸を使ってtRNAをアミノアシル化できるリボザイムが発見されている。フレキシザイムは45塩基からなるリボザイムで、多様な活性化L-フェニルアラニン誘導体をtRNAにin transで結合させることができる。フレキシザイムは、L-フェニルアラニンをアシル化する反応速度を105以上加速し、また非同族アミノ酸に対しては104倍以上の認識能力を示し、tRNA中に存在するすべての水酸基のうち3′末端の水酸基だけを高い位置選択性でアミノアシル化する能力ももつ。今回我々は、基質RNAに融合させたフレキシザイムの三次元構造を2.8 Åの分解能で解き、リボザイムコア残基のランダム化および再選択の結果と組み合わせて、tRNAの特異的アミノアシル化には非常に少数の塩基しか必要としないことを明らかにした。また、フレキシザイムは主にtRNA分子のCCA末端との塩基対形成を介してtRNAを認識するが、数多くの局所的な相互作用によってtRNAのアクセプター末端を正確にリボザイム活性部位に配置している。さらに、結晶学的に独立したフレキシザイムのコンホメーション2種類(このうち1種類のみが活性化フェニルアラニンを結合できるものと考えられる)を比較した結果、このリボザイムはその活性部位の折りたたみとtRNAドッキングを共役させることによって基質への高い特異性を生み出しているとわかった。このような機構は、いくつかのアミノアシルtRNA合成酵素でみられる、特異性向上のためのtRNAとタンパク質間の相互誘導適合を連想させるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る