Letter 生態:陸上生物圏の窒素固定に関する統一的枠組み 2008年7月17日 Nature 454, 7202 doi: 10.1038/nature07028 過去から現在まで、窒素(N2)固定が、全球的な環境変化に対する生態系応答の制御にかかわる重要な過程であることは広く認められているが、陸上生物圏の主要な領域では、N2固定パターンの理論と観測結果との間に大きな食い違いが存在する。共生的N2固定植物が、窒素が不足していると考えられる温帯および亜寒帯の成熟林の多くに比べて、熱帯の広大な地域のほうに多い理由は、いまだに明らかにされていない。本論文では、N2固定植物の地理的出現率を、多様なバイオームにわたって全球規模で説明可能と思われる陸上N2固定の統一的枠組みを示す。植物の炭素、窒素、およびリン捕捉に内在するトレードオフを検討することにより、リンが不足する熱帯サバンナおよび低地熱帯林では、共生的N2固定を行う植物が明らかに優位となることがわかった。リンが不足する熱帯の生態系では、リン獲得に窒素を投入できるN2固定植物の能力が、持続的なN2固定に重要と考えられる。これとは対照的に、高緯度地方では、現代の気温ではN2固定速度が抑制され、N2固定種を成熟林に生息しにくくしていると考えられる。我々は、生物地球化学的循環と生物物理学的機構を組み合わせた分析によって陸上の共生的N2固定の主要な地理的パターンが十分説明され、栄養素が制限されている生態系が気候変動および増加する大気中CO2に対して示す応答を予測するための基盤が得られると考える。 Full Text PDF 目次へ戻る