Letter 免疫:IL-21とTGF-βはヒト17型TH細胞の分化に必要である 2008年7月17日 Nature 454, 7202 doi: 10.1038/nature07021 インターロイキン(IL)-17の分泌を特徴とするCD4+ T細胞(TH17)と胸腺由来の調節性FOXP3+ CD4細胞(nTreg)の最近の発見は、TH1/TH2モデルでは容易に説明ができない免疫過程に対する我々の理解に大きな影響を与えた。TH17とnTreg細胞は、多発性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患や乾癬といったヒトの自己免疫疾患の発症機序に関与するとされている。我々の最近のデータおよび他の研究によって、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)とIL-6がマウスのナイーブT細胞のTH17細胞への分化に重要であることが証明され、また、IL-23がTH17の表現型の安定化に重大な役割をもつ可能性が示唆されている。TGF-βとIL-21の組み合わせにより、IL-6非存在下でもマウスTH17細胞の分化誘導ができるという第二の経路も見つかっている。しかしながら、TGF-βとIL-6はヒトのTH17細胞を分化させることはできず、TGF-βが実際にヒトTH17細胞の発生を抑制する可能性が示唆されている。一方で、サイトカインIL-1β、IL-6とIL-23が、ヒト末梢血から単離した短期系CD4+ T細胞株でIL-17分泌を誘導できることが最近示されてはいるが、ヒトナイーブCD4細胞のTH17への分化に必要な因子はまだ知られていない。今回我々は、IL-1βとIL-6はヒトのセントラル記憶CD4+ T細胞からIL-17A分泌を誘導するが、TGF-βとIL-21はヒトのナイーブCD4+T細胞に転写因子RORC2を発現させ、TH17細胞へと分化誘導するという独自の働きをもつことを確認した。これらのデータは、ヒトの炎症性疾患でのTH17細胞という、この新しい集団の研究を可能にするだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る