Letter

進化:カレイ目魚類の左右非対称性の進化的起源

Nature 454, 7201 doi: 10.1038/nature07108

食材としてよく知られているツノガレイやシタビラメ、チュルボ、オヒョウを含め、すべてのカレイ目魚類の成体は、頭骨の左右非対称が著しく、両眼が頭の片側に寄っている。脊椎動物の解剖学的特殊化の最も極端な一例であるこの配置は、仔魚の発生後期に一方の眼が移動することによって生じる。左右対称の仔魚から左右非対称の稚魚への変態に関してはよく研究されているが、カレイ目魚類とこれに近縁の左右対称な魚類とを結びつける移行型が存在しないため、カレイ目の左右非対称性の進化的起源はよくわかっていない。そうした中間種は生存不能であると考えられたため、進化に関する議論の中でカレイ目は重要な役割を果たすことになり、自然選択説への反論や跳躍的変化(跳躍進化)の主張につながった。本論文では、いずれも始新世ヨーロッパの絶滅した棘鰭(きょくき)類魚類であるAmphistiumおよび新属のHeteronectesが、知られているかぎりでは最も原始的なカレイ目であることを示す。両分類群とも、頭骨の眼窩領域が現生カレイ目と同様に著しい左右非対称性を示すが、現生種にみられない原始的な特徴を数多く有している。最も注目すべき点は、AmphistiumHeteronectesは共に眼窩の移動が不完全なことで、変態後の個体でも眼が頭部の左右両側に離れたままになっている。この状態は、現生カレイ目の状態と他の魚類でみられる配置との中間である。AmphistiumおよびHeteronectesは、現生カレイ目の頭部の著しい左右非対称性の進化が実際には漸進的に進んだことを示している。

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