Letter 物理:アンダードープ高Tc超伝導体の渦糸状態における多成分フェルミ面 2008年7月10日 Nature 454, 7201 doi: 10.1038/nature07095 超伝導の起源を解明するには、対形成に関与できる主要なキャリアの性質と起源を確かめることが重要である。高い転移温度(高Tc)の銅酸化物超伝導体で行われた最近の量子振動実験によって、常伝導金属の場合とよく似た、軌道量子化を起こすフェルミオンキャリアからなるフェルミ面が存在することが明らかになった。しかし、観測されたキャリアポケットの大きさが予想外に小さかったことから、基盤となる磁気秩序の存在や形に関してさまざまな可能性が残り、そのd波超伝導との関係も明らかになっていない。今回我々は、超伝導性YBa2Cu3O6.51における磁化の量子振動(ド・ハース-ファン・アルフェン効果)に関する実験について報告し、2個以上のキャリアポケットが存在することを示す。特に、より重い質量のキャリアのはるかに大きいポケットの存在を示す証拠が得られ、この正孔ドープ超伝導体でこのポケットは熱力学的に支配的な役割を果たしている。このより完全なフェルミ面内部にある複数ポケットの特性から、基礎となる秩序の波数ベクトルと運動量空間におけるキャリアの位置を絞り込めることは重要である。この制約条件によって、実験結果と一致する、らせん状あるいは関連する変調磁気秩序をもった密度波モデルを作ることができる。 Full Text PDF 目次へ戻る