Letter 宇宙:月の火山ガラスに残された揮発性成分と月内部の水の存在 2008年7月10日 Nature 454, 7201 doi: 10.1038/nature07047 月は、1回もしくは複数回の壊滅的な加熱事象を経て形成され進化し、高揮発性成分の大部分が加熱中に失われたと一般的に考えられている。最も軽い元素である水素は、この期間に完全に散逸したとみられている。今回我々は、二次イオン質量分析技術の大きな進展によって、月の最も未分化な玄武岩である火山ガラスに含まれる揮発性成分(CO2、H2O、F、S、Cl)の含有量について、さらに正確な値を得た。月の火山ガラスに残された噴火前の含水量に対しては精密な制約を与えることができないが、チタン含有量が極めて低いガラスでの拡散脱ガス現象を扱った数値モデルからは、信頼性95パーセントでの最もよい含水量推定値として745 p.p.m.、最小値としては260 p.p.m.が得られた。我々の結果は一般的な考えと異なり、月全体では水などの高揮発性成分が完全には枯渇していない可能性を示している。したがって、月の形成、熱的および化学的進化を記述するモデルでは、水の存在を考慮する必要がある。 Full Text PDF 目次へ戻る